積算より全ての業者の入札価格がオーバーした場合こその工事区分だけ入札のやり直しとなる。たとえ総工事額が積算に納まっていてもその工事区分だけは再入札となる。この場合厄介なのは工事に3週間、入札に3週間最低要することである。ただ契約は施主・各業者間で独立でかわされるので、基礎・躯体工事に再入札がなければ特に問題なく着工できる。

 

 こうして分離発注によって得られた入札額はゼネコンに比べ、はるかに安くなる筈である。m2単価は分椎発注で6000フランから7000フラン(消費税18.6%込)が普通である。HLM(フランス公団住宅)の場合、5000フランから6000フランが一般的にいわれている工事額である。

 

分離発注の難点は現場での工程管理である。業者をどう動かして工期内にいかにして終わらせるかである。塗装業者などコンクリート下地が悪いと躯体工事業者と延々といい合って仕事を拒むこともしばしばである。このような各工事の少しのスケジュールのずれが工期を大幅に延ばす危険もある。一時フランスではまだ工事が終わっていないのに建物が使われている光景をよく見かけた。例えばジャン・ヌーヴェルのアラブ世界研究所の現陽を見に行った時、一方でヘルメットを被った作業員が働いていると思えば、工事の済んだ事務所部分ではホワイトカラーの人が仕事をしているといった具合であった。

 

最近では施主から依頼された第三者であるコーディネーターによる工程管理が義務付けられているし、遅れに対してペナルティが科せられてきつつあるため、昔見かけたような事態は減ってきているが分離発注の問題点として残っている。

 

 

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