モダニズムの追求 Henri CIRIANI の展覧会

 

 

 

Henri CIRIANI の展覧会がこの夏前にヴェニスで開催されていた。ビエンナーレではなく、ヴェニス建築大学で企画されたもので、併せて彼のレクチャーも行われた。悲しいことに、フランスでこういった展覧会ができにくくなっているため、希な機会とあってフランスからも多くの学生が足を運んでいた。

今回の展覧会はほとんどが彼のデッサン、スケッチで二百六十数点におよぶと聞く。デッサンに加えて、数点の模型と実作の写真のプリントアウトが展示されている。彼のデッサンは本・雑誌等で紹介され、我々が知っているプロジェクトが多かったものの、彼に近いフランス人でさえ、初めて見るプロジェクトもあったようだ。これらのデッサンは今回の展覧会の為に用意したものではなく、日頃の作業の集積である。現在進行中のリマの住宅、セルジー・ポントワーズ裁判所のスタディーのデッサンを始め、いくつかのコンペの応募案で入賞できなかったため永遠に日の目を見ないもの等、様々なプロジェクトが紹介されていた。中にはカフェで昼食を待つあいだに紙ナプキンに描いたデッサン、更にそれらをアトリエに持って帰って付け加えたものや、コンペのプレゼンテーション用のパネル構成のスタディーまであった。彼のデッサンのエネルギーはただ事ではない。

驚きの一つには見たことの無い物を見たという印象。ある時期、建築の表現として手の痕跡を避ける傾向があった気がする。それが今日、コンピューターの導入に拍車をかけた。コンピューターグラフィックには手を動かす以上に簡単な表現手段があり、それらのスーパーリアリズムに見慣れている者にとっては今回の展覧会は衝撃だった。同時に建築デッサンの表現の違いが建築の違いに通ずるというのをつくづく感じた。

 

 

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